外国人客 薮原に呼ぼう 湯川酒造店 体験ツアー開発に力

木祖村薮原の湯川酒造店(湯川尚子社長)は、観光庁の特別体験事業の採択を受け、木祖村の中でも特に薮原地区を中心とした外国人観光客向け旅行商品の開発に取り組んでいる。同社が主体となり、村観光協会や地元企業とともにツアー実施に向けてコンテンツを磨き上げている。6日と7日、モニターとなる外国人にツアー内容を実体験してもらう視察旅行を実施した。
初日は鳥居峠(木祖村・塩尻市境)をガイドと共に歩き、薮原の医薬品製造販売の日野製薬では、木曽地方に古くから伝わる胃腸薬・百草丸の原材料を口にして、生薬の苦さに参加者が〝目を丸く〟する一幕もあった。2日目の7日は、通訳を含めた英国の4人が湯川酒造店を見学し、テイスティングも体験した。3カ月の予定で日本を旅行中というクリストファー・ミテルさん(34)は「もっと知りたいと思えることばかりで興味深い」と木祖の印象を話していた。ツアー造成に向け、通訳ガイド6人も参加した。
収集した意見を踏まえた海外向けツアー商品を11月にも発売する計画だ。湯川社長は「ツアー客は事前に情報収集した上で訪れ『時間を掛けて深く知りたい』と考えている姿勢が感じられた。その需要に木祖は応えられる」と手応えをつかんだ様子だった。酒サムライコーディネーターで、世界に日本酒の魅力を伝える活動をしている平出淑恵さん(62)=東京都=もツアーに同行し「プロジェクトの成功は、酒蔵のある全国各地域の希望になる」と話していた。