2024.10.7 みすず野
ミステリー小説(推理小説)の先駆者として『モルグ街の殺人』などの作品で知られる米国の作家エドガー・アラン・ポーは、1849年のきょう亡くなった。それに由来して「ミステリー記念日」に制定されている◆戦後詩の第一人者で、海外ミステリーを発行してきた早川書房の初期編集長兼翻訳家として、多くの作品に携わってきた田村隆一さんのインタビューやエッセーを収めた『ぼくのミステリ・マップ』(中公文庫)は楽しい◆「ミステリを読む儀式」では「ベッドに一冊持ち込んで、眠くなったらそのまま眠ったらいいんです。一種の就眠儀式なんだが、読み出すと途中でやめられなくなっていつの間にか、不眠儀式になっちゃう」と話す。「ことに若い時は眠れないかもしれない」と◆ミステリーを読み続けても翌日の仕事に影響のない時間は何時か、という文章を読んだこともある。それだと、勤め人は午前3時だったような。若い頃は夢中で読み、気がついたら3時、4時ということがちょくちょくあった。それくらい面白い作品に出合うのは幸せなことだ。この年になると、本を広げてページを繰らないうちに寝てしまう。