2024.10.30 みすず野
テレビ番組紹介雑誌に掲載される2週間分の番組の中から、映画番組で紹介される作品について書いた連載をまとめた『ブラウン管の映画館』(ちくま文庫)で、著者の和田誠さんは、米国の新聞を説明する◆日本の新聞の1面は「余程の大惨事でも起こらない限り、政治に関する記事が載るが、アメリカの新聞は日本よりヴァラエティに富んでいて、新聞によっては犯罪事件の特ダネなどが第一面を飾ることも多い」と◆1974年に制作された「フロント・ページ」(ビリー・ワイルダー監督)を紹介する回の解説で、フロント・ページは新聞の1面のこと。原作は作家でシナリオライターのベン・ヘクト。シカゴの新聞の編集長(ウォルター・マッソー)と、腕利きの記者(ジャック・レモン)の話◆「記者たちを面白く描くと同時に、政治家、役人どもの腐敗ぶりも鋭く皮肉った、辛口の喜劇」だと。テレビで見た覚えがある。原作者はシカゴで新聞記者をしていた。記者の動向に詳しく、だから興味深い物語が書けたと和田さんはいう。二人の俳優は他作品でも共演していて、とても息が合ったそうだ。そんな相手に出会えれば幸運だ。