地域の話題

猿害対策のホウキモロコシ栽培に手応え ほうき完成 安曇野市の市民有志ら製作講座

ほうき作りを楽しむ参加者(左)

 安曇野市穂高有明の住民有志らによる「安曇野ほうきプロジェクト」は21日、地元・立足区内の施設で「手ぼうき」の製作講座を開いた。農作物を食い荒らすニホンザルの対策として遊休農地で栽培したホウキモロコシの穂を使い、市内外の25人が昔ながらのほうき作りを楽しんだ。
 プロジェクト2年目の今年は、5月の種まきから草取り、収穫と脱穀、ほうき作りに至るまで、一般参加の約30人を交えて取り組んできた。10アールで栽培したホウキモロコシは猿に荒らされることもなく、穂をたくさん収穫できたという。
 ほうき作りは立足区の元区長で農業の中村治幸さんらメンバー3人が講師を務め、芯にホウキモロコシの穂を13~17本巻き付けて縛り、糸を編み込んでいった。ホウキモロコシのほうきはしなやかで丈夫で使いやすく、メンバーの野中由紀子さんは「使っていて気持ちがいい。掃除をするのが楽しくなる」と利点を話していた。
 種まきから参加している穂高有明の千國和平さん(71)は「草取りが大変だった。やっとほうきになる。来年も参加したい」と意欲を話していた。
 プロジェクトは「安曇野ほうき」を地域の特産品にすることを目指している。代表の丸山美幸さん=池田町会染=は「ほうきを作る人と使う人が身近になって"ほうき人口"が増えていけば」と今後を見据えていた。