「松本本藍型染」 県知事指定伝統的工芸品に

県は20日、松本市の「松本本藍型染」を県知事指定伝統的工芸品に新規指定したと発表した。江戸時代から広く行われてきた松本の藍染めを引き継ぎ、県内で「本藍型染め」を行う唯一の工房「浜染工房」(松本市庄内2)の濱完治さん(75)と妻の博子さん(68)が同日、県庁で会見し「続けてきたことが実った形で大変ありがたい。技術を何とかして守っていきたい」と喜びを語った。
濱さんらによると、生地に型紙を置いて糊付けし、藍で染める「藍の型染め」は室町時代か鎌倉時代に始まったと伝わる。江戸時代には松本でも藍の栽培が盛んになり、働く人たちの生活着として親しまれた。
浜染工房は明治44(1911)年の創業で、濱さんが3代目となる。松本では昭和12(1937)年に「松本染色組合」が設立されたが、化学染料の輸入に押され「本藍染め」は徐々に衰退していったという。
濱さんは「藍染めが大好き。後世に伝えるためにこれからも一生懸命やっていく」と語った。