麻績の協力隊員・森田壮志さんブドウ初出荷へ ワイナリー設立目指す

麻績村地域おこし協力隊農業班に所属し、北山の農地でワイン用ブドウの栽培に取り組む森田壮志さん(34)=宮本=が、隊員として最終の4年目を迎え、〝卒業〟に向けて今秋初めてワイン醸造向けにブドウを出荷する。森田さんは5年後を目標に独自のワイナリーを設立する夢を抱き、ブドウ農場「聖高原ヴィンヤード(仮称)」誕生に向け歩みを進めている。
北山の約1・6ヘクタールで、隊員で妻の綾音さん(33)とともに、ピノグリやシャルドネ、リースリングなど白ワイン用ブドウを中心に2500本の苗木を育てている。麻績城山裏手(北側)にある北山は標高850~900メートルの日当たりの良い南斜面で「栽培に理想的な環境」といい、来年はさらに1000本を追加し、酒造免許に必要な年6000リットルを製造できる体制を目指す。
松江市出身の森田さんは地元の工業高等専門学校を卒業。21歳で島根県の技術職となり、農地整備に関わるうちに地域資源を生かす6次産業化に興味を抱いた。ワイン好きもあり、東御市のはすみふぁーむ&ワイナリーへ転職。3年間栽培・醸造の経験を積みつつ農地を探す中で、麻績の遊休農地と出合い協力隊の門をたたいた。夫婦でゼロから苗を植え始め、山梨大学(山梨県)ワイン・フロンティアリーダー養成プログラムで知識・技術を補った。
昨年は実ったブドウで初めてジュースを搾った。初のブドウ出荷は10月に東御市のワイナリー向けに行う予定で、品質も確かめてもらう。森田さんは「標高差が大きい麻績村はワイン醸造地として将来性が高い。村人が誇りに思える、品質に妥協しないワインを醸したい」と意欲を語る。