災害風化させず 誓い新た 県西部地震 王滝村 犠牲者を追悼 防災訓練も

死者・行方不明者29人を出した昭和59(1984)年9月の県西部地震から14日で40年となった。震源が深さ約2㌔と非常に浅い直下型で、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・8だった地震の震源地だった王滝村では大地震を想定した防災訓練があり、行政と住民が一体となって防災力向上を図った。犠牲者を悼む追悼式もあり、40年前の災害を風化させず後世に語り継ぐ決意を新たにした。
訓練は村内で震度6弱を観測したと想定。村職員は「村役場が被災した」として災害対策本部を王滝小学校に設置する訓練に取り組み、村内全域への避難勧告は、校舎内に設置した災対本部から発令した。
追悼式は同村松越地区の慰霊碑前で営まれた。遺族を代表して献花した村内の泉秀行さん(61)は、県西部地震で兄の和視さん=当時(24)=を亡くした。村の森林組合に勤めていた和視さんが土砂崩落に巻き込まれた木工所があった一帯を式典会場から見上げ「長くもあり短くもあった40年。気持ちの整理は付いているつもりだが、生きていた頃の兄の姿は時々思い出す」と静かに話した。越原道廣村長は「災害で得た教訓を受け止め防災対策に資する」と追悼の言葉を述べた。
柳ケ瀬地区の「鎮め観音」に移動して、黙とうと献花をした。王滝小体育館では「慰霊の調べ」と銘打ったバイオリンとチェロの演奏会もあった。