博物館に懐かしの入館券 南木曽町 昭和42年のオープン時 住民寄贈 パンフも

南木曽町の妻籠宿にある町博物館に、昭和42(1967)年9月の開館当時の入館券とパンフレットが寄贈された。最初の一般来場者となったグループの1人という町民から寄せられ、貴重な資料として館内に展示するのとともに、関係者は同館の57年の歩みを再確認している。
入館券は一部を木の通行手形に見立てた仕様で、寄贈品には来館者ナンバー「2」の数字が記される。寄贈した町民は知人と共に夫婦で来館し、1番目は知人に譲ったという。
同館は奥谷郷土館として開館。高窓から差し込む陽光の筋「斜光」の光景が現在では有名な脇本陣奥谷の公開と、隣の蔵で資料展示をしていた。当時は座敷などに上がることはできなかったという。
遠山高志・名誉館長は「半世紀以上前のチケットをよく残していてもらった。ありがたい」と感謝する。寄贈を受け当時を調べたところ、開館は9月9日だったが、一般公開は14日からで、入場券もここから配布が始まったとあらためて分かったという。「当時を見つめ直す機会になった。身近な歴史でもしっかり確認していかなくては」と話す。
寄贈品は奥谷に隣接する同館歴史資料館で、妻籠の町並み保存に関するコーナーに展示した。