松本市がカスハラ防止条例を来年度制定へ 市職員対象、企業への波及効果期待も
松本市の臥雲義尚市長は11日の市議会9月定例会の一般質問で、「カスタマーハラスメント防止条例(仮称)」を来年度中に制定する意向を明らかにした。市職員が、悪質なクレームや理不尽な言動にさらされることなく安心して働ける環境を整える狙いで、専門職員が常駐する対策室の設置や外線電話録音機能装置の導入もする。東京都が全国初の条例制定を進める中、他の自治体に先駆けた取り組みとなる。
村上幸雄氏(政友会)の質問に答えた。臥雲市長は市条例について「都の例などを参考に、市役所内の実態調査や有識者会議の検討を経て、来年度中の制定を目指して取り組みたい」と述べた。都条例が一般企業の労働者も対象としているのに対し、市の条例は職員が対象の想定で、「市役所がこうした対策をとることで、市内の企業や事業所にプラスの効果を広げていく」とした。
「カスタマーハラスメント対策室(仮称)」は来年4月から庁内に設置し、専門職員を常駐させるとともに、弁護士や医師の相談体制を整える。外線電話録音機能装置については、すでに導入している自治体で相当の効果があったといい、導入範囲などを検討した上で速やかに実施する。
職員のプライバシー保護のため市は7月から、課長補佐級以下の職員の名札に顔写真を掲載するのをやめ、フルネーム表記もなくして平仮名による名字表記のみとした。市職員課は「職員が働きやすい環境づくりを市民サービス向上につなげたい」と話している。