政治・経済

登山者駐車場の混雑一目で 安曇野市がシステム導入 14カ所で13日から

利用状況が一目で分かるインターネット上のページ(イメージ)

 安曇野市は今月、北アルプス登山者駐車場の利用状況がリアルタイムで分かるシステムを導入する。市内に14カ所ある駐車場の利用状況がインターネット上で表示され、どの駐車場がどの程度混雑しているのか、空いているのかが分かる仕組み。登山シーズンに慢性化している路上駐車や渋滞といった課題の解決につなげる。13日正午に運用を開始する。
 登山者駐車場は登山口3カ所に計8カ所あるほか、街・里地に6カ所ある。各駐車場のカメラ映像をAI(人工知能)が解析して車両をカウントし、収容台数と比べて満空状況を表示する。事業費は約4000万円。信州大学の知見を活用しており、専門業者がシステムを構築した。
 市によると、駐車場14カ所の収容台数は約700台。登山シーズン中の週末は登山口駐車場が満車で、お盆や3連休などは街・里地の登山者駐車場も満車になる。路上駐車や渋滞は以前から課題になっていたが、新型コロナウイルス禍の後でより顕著になった。
 登山口駐車場を訪れて満車だった場合、町中の駐車場に戻って駐車し、タクシーやバスで再び登山口に行くには時間的な余裕がなく、路上駐車できる隙間を探して止めるのが実態だという。林道がふさがれてタクシーが登山口にたどり着けないケースや、路肩に無理やり止めた車が斜面を転落する事故なども発生している。
 兵庫県から2泊3日の日程で燕岳や大天井岳の登山に訪れた夫婦は、穂高神社南側にある登山者や参拝客ら用の穂高駐車場を利用した。「登山口の駐車場は平日もいっぱいと聞いていたのでここを使った。(登山前に車中泊でいいなら)満空状態が分かるのはありがたい」と市の取り組みを歓迎していた。
 10月には主要駐車場の画像配信を5~10分間隔で始める予定。市観光課は「空いている駐車場に止めて公共交通機関で登山口に向かってほしい。安全で余裕ある登山をしてほしい」としている。