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塩尻市の住宅耐震診断 能登地震など背景に申請急増

市が作製した、耐震改修の補助制度のPRと耐震診断申込書付きのチラシ

 塩尻市で住宅の耐震診断の申し込みが急増している。本年度当初に想定した診断件数の4倍以上に当たる126件が申請しており、開会中の市議会9月定例会に関連費用を計上した一般会計補正予算案を提出している。

 本年度一般会計補正予算案に、耐震診断業務委託料650万円(100件分)を追加計上した。例年30~50件の診断実績を踏まえ、本年度当初では204万円(30件分)を盛っていたが、1月の能登半島地震を受けて希望が急増したとみられる。診断は1件当たり6万5000円かかり、市が耐震診断士を派遣して行う。規定の条件を満たす対象住宅で無料で実施している。
 市は、県の上乗せ補助金を周知して耐震診断を勧める市独自の啓発チラシを作り、4~6月に昭和56(1981)年以前の木造住宅約2200戸の所有者に郵送した。対象は約4600戸あるが順次郵送を進め、残りは今冬に送り、新年度予算に反映させる計画だ。
 市は10年かけて全地区に耐震診断を呼び掛ける通知を送ったが、住民の高齢化や費用負担の面で耐震改修に至らない例も少なくない。住宅が倒壊すると、道路がふさがれ避難や支援にも影響が出る。
 大地震発生を契機にした関心の高まりを背景に、市建築住宅課の清水博幸課長は「少しでも安全な住宅にしていただければありがたい。まずは耐震診断を」と話す。