栗子餅 木曽の和菓子店に秋の味覚並ぶ
木曽に秋の訪れを告げる郷土菓子「栗子餅」が、郡内の和菓子店に並び始めた。餅を栗あんで包んだ、いわば栗の「あんころ餅」だ。木曽谷にまだ栗の木が多くあった戦前に売り出された旬の味といい、木曽独特の食文化として受け継がれ、初夏の朴葉巻きとともに季節の味覚となっている。
木曽町福島の和菓子店・田ぐち(田口益生社長)は1日に販売を始めた。作業場では職人が一つずつ手早く丸め、かわいらしい俵形の餅が次々に出来上がっていた。店先には販売開始を告げるのぼり旗が立ち、待ちわびた人が早速買い求めていた。
秋彼岸の時期からが販売の最盛期となり、年内いっぱい店頭に並ぶ。田口社長は「記録的な大雨や猛暑などが頻発する中、栗の生産農家のご苦労は計り知れない。感謝しかない」と栗の入荷に安ど。「ほんの少し秋の気配が漂い始めた木曽に足を運び、秋の味覚を楽しんでもらいたい」と願っている。