地域の話題

感謝の音楽、空へ届け OMF「小澤征爾の日」

中学生らによる演奏が開演前にホールロビーであり、多くの人が見守った

 松本市で開催中の国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の総監督で、2月に死去した小澤征爾さんの誕生日の1日、小澤さんに松本の地から感謝の思いを伝える催し「小澤征爾の日―Seiji Ozawa Day―」が開かれた。キッセイ文化ホールを会場に、地元の吹奏楽や合唱の団体から計約450人が出演し、松本に音楽文化を根付かせてくれた小澤さんに届くよう、感謝の音色や歌声を響かせた。

 市内の丸ノ内、旭町、高綱の3中学校の吹奏楽部と松本シティーマーチングバンドの計150人は開演前にロビーで、終演後には屋外の外階段で演奏した。終演後の外階段での演奏は、音楽祭の初期に客を音楽で見送ろうとオーケストラコンサートを終えた小澤さんが外に飛び出てきて、地元吹奏楽団体を指揮して演奏を奏でていたころを再現した。合同では「宝島」や「信濃の国」など3曲をさっそうと披露し楽しませた。
 開演後はステージでSK松本ジュニア合唱団など所属の子供と、県合唱連盟などの大人がそれぞれ歌声を披露した。子供は「ビリーブ」を、大人は「大地讃頌」を美しいハーモニーで響かせた。サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)初期メンバーの堀伝さんと原田禎夫さんらの対談や小澤征爾音楽塾オーケストラの演奏もあった。花火も打ち上げられた。
 旭町中吹奏楽部の小菅翔太郎部長(14)は「小澤さんが来てくれて、音楽文化が広がっていったことはありがたいこと」と感謝した。