政治・経済

生坂で里山再生考える

スズメバチの仲間の大きな巣を見つけた参加者たち

 生坂村下生坂雲根で15日、里山の再生を考える体験学習ツアー「旅するいきもの大学校!」が始まった。県外を中心に約40人が山を歩き、動植物の多様な生態系を調べた。

 初回の15日は、環境教育や保全活動を専門とし、ツアーの講師を務める立教大学准教授の奇二正彦さん(49)が案内した。サッカー松本山雅(松本市)のクラブプロモーション担当の片山真人さん、立案担当の同村の合同会社HiTTiSYO(ヒッタイショ)のメンバーらも加わった。
 参加者は雑木林や遊休農地を歩き、オニヤンマやノスリなどを見つけた。事前に設置した定点カメラの映像でツキノワグマやトラツグミなども確認した。参加した30代の男性は「自然豊かな場所で、いろいろな生き物が見られるのが楽しみ」と話した。
 体験ツアーは、村や松本山雅などが連携して取り組むプロジェクト「いくさか『創造の森』リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」の一環で、来年1月までの全6回で現地調査や住民との交流、巣箱や落ち葉ステーションの設置などに取り組む。観光庁の再来訪促進のモデル事業にも選ばれており、関係人口の増加も目指す。ツアー修了者は村の「ネイチャー研究員」として地域で活動する。