2024.9.7 みすず野
きょうは二十四節気の一つ「白露」。夜中に大気が冷え、樹木や草花に朝露が宿り始めるころという意味がある。降りた露は光り、白い粒のように見える。そんな朝露は、その日の天気を伝える役目も担ってくれる。ことわざの「朝露が降りると晴れ」が知られる◆この時期にはススキが多く茂った野原が、徐々に色づき始める。黄金の野原がオレンジ色の日を浴びて輝くさまは、筆舌に尽くしがたいほど美しい。どこか哀愁を帯び、初めて見る場所でもなぜか懐かしく、記憶に残る昔日に見た風景と重ね合わせる◆ススキの異称はオバナ。形が動物の尾に似ていることから名付けられた。そう呼ぶと秋の七草の一つだとあらためて気づく。昔の家の屋根に材料として使われていた「カヤ」と呼ばれることも。若い読者は、かやぶき屋根といってもピンとこない方もおられよう。世界遺産の白川郷(岐阜県)の合掌造りの集落を思い出してもらうといいかもしれない◆空を見上げれば、浮かぶ雲も真夏とは変わっている。気象用語で正式名・巻積雲は俗称が、いわし雲、うろこ雲。温暖化もあり、まだ暑い日が多いが季節は確実に進んでいる。