良質なクラシック届け200回 塩尻のセバンチャン企画 生活に溶け込む音楽提供

塩尻市洗馬のセバスチャン企画が、大門並木町の市民タイムス塩尻ホールで毎月開いている「サロンコンサート」が、15日で通算200回の節目を迎える。平成18(2006)年5月に始めてから、バイオリン奏者でもある酒井和彦代表と、ピアニストでチェンバロ奏者の妻・木内栄さんが続けてきた。クラシック音楽を通じた交流の場として存在感を発揮している。
バロック、古典派と幅広い曲をプログラムに組む。555曲あるとされるスカルラッティの鍵盤ソナタは「いつの日にか全て演奏したい」との目標がある。地域で活動する音楽家を招いており、木内さんは「これだけの方々とのご縁を育んでこられたのは奇跡」と話す。
演奏者と、演奏を聴く人たちの距離の近さが特徴で、会場では演奏者の息遣いが聞こえるほどだ。休憩時間を30分間ほどと長く取り、地域の店が出すオリジナルのケーキやコーヒーがゆったりとした時間を演出する。
木内さんがドイツ留学時代、音楽が生活に溶け込む環境に感銘を受けたのが原点になった。飲食店やホテル、教会などで演奏会が頻繁に開かれていた。自身も演奏に加わるようになり「帰国したら、こういう活動をしたい」と願うようになった。
酒井さんの大病や、新型コロナウイルス禍を乗り越えてきた。酒井さんは「サロンコンサートは音楽を通しての時間の旅。お客さまを含め、それを楽しめているから、続けてこられた」と語る。木内さんは「皆さまとの交流を大切にしながら、弾ける限り続けていきたい。終わりなき活動だと思っている」と、今後を思い描いている。
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200回目のコンサートは午後2時開演。木内さんと、バイオリン奏者の平波華映さん、智映さんの3人が出演する。会費は3000円で、60人限定。問い合わせはセバスチャン企画(電話0263・53・8277)へ。