朝日産ビーツの商品完成 レトルトのボルシチ発売

朝日村で30年以上栽培される根菜のビーツを生かし、商品開発を進めるプロジェクトが26日、ビーツが主役のスープ「ボルシチ」のレトルト商品を発売した。ボルシチ発祥の地とされるウクライナの人に教わったレシピを基に昨春から試作・改良を重ねてきた。野菜や肉を丁寧に煮込んだ豊かな風味と、ビーツの特徴的な色をそのまま生かした鮮やかな深紅のスープが自慢だ。
村産ビーツ、ニンジン、ジャガイモ、キャベツといった野菜、国産豚スペアリブ、香草のディル、トマトピューレなどを煮込んだ。食べた時の満足感につなげようと具材は大きめにカットし、素材のだしが溶け込んだスープに香草で爽やかな香りをプラスした。村内で飲食店を営み、レシピ作りの中心になった樋口浩司さん(56)は「納得いく味が実現できた。大勢の人に食べてほしい」と話す。
深紅のスープは試行錯誤の末に実現した。加熱殺菌の工程で色が抜けてしまう点が課題だったが、収穫直後の新鮮なビーツを加工・冷凍して使うことで改善した。松本市の井上百貨店がアドバイザーを務め、塩尻市の美勢商事が製造する。
25日に村中央公民館でお披露目会を開き、プロジェクトや村の関係者約40人が試食して完成を祝った。村内では4軒ほどがビーツを生産し、年間約120トンを収穫。生産者でもある上條典泰代表(65)は「村は良質なビーツの産地。ビーツを食べる文化がさらに広まってほしい」と願い、商品を「手土産にもおすすめ」とPRする。
商品開発は、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナからの避難民を支援しようと一昨年秋に村で始まった「ボルシチまつり」をきっかけに本格化した。
1箱(200グラム入り)税込み800円。朝日村役場隣のコンビニ、井上、山形村の大型商業施設・アイシティ21などで販売中。問い合わせは村観光協会(電話0263・87・1935)へ。