華やか舞台 市民も出演 OMFオペラ「ジャンニ・スキッキ」

国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で25日、小澤征爾音楽塾オーケストラによるOMFオペラ「ジャンニ・スキッキ」が、松本市のまつもと市民芸術館で上演された。プッチーニの華やかな音楽に乗せて、大富豪の遺産を巡る騒動が繰り広げられ、会場をいっぱいにした約1400人を魅了した。
主人公のジャンニ・スキッキが、大富豪の親族の遺産争いと、まな娘の恋を悪知恵で解決する物語を、軽やかな演奏とソリストたちの歌声が彩った。大富豪のおい夫婦の子供役には、オーディションで選ばれた開智小学校5年生の吉本衣吹さん(10)が出演した。「ジャンニ・スキッキが来るよ」と澄んだ声で歌い、元気に舞台上を動き回った。
小澤征爾さんのアシスタントを務めた村上寿昭さんが指揮し、若手奏者67人が演奏した。米国のデイビッド・ニースさんの演出で、イタリア・フィレンツェが舞台の物語の時代設定を1850年代から1960年代に変え、近代的な衣装や小物も目を引いた。
指揮はOMF首席客演指揮者の沖澤のどかさんの予定だったが、オーケストラ公演の指揮者の降板で代役を務めた沖澤さんの負担軽減のため、村上さんに変更された。
松本市の澤目知春さん(45)は「沖澤さんを楽しみにしていたので残念ではあったけれど、若い奏者が頑張っていてうれしく感じた」と話していた。
26日と27日の中学生対象の教育プログラム「子どものためのオペラ」の演目を一般にも公開した。