地域の話題

特殊詐欺被害防げ 警察官がボードゲーム考案 塩尻の楢川駐在所・細田佳祐巡査部長

ボードゲームを作った細田さん

 塩尻警察署楢川駐在所(塩尻市木曽平沢)の細田佳祐巡査部長(37)が、電話でお金詐欺(特殊詐欺)の知識を学ぶ「電話でお金詐欺学ボードゲーム」を作った。23日、塩尻市の塩尻総合文化センターでお披露目し、大門地区の高齢者ら約20人が遊びながら防犯知識を深めた。

 ゲームはA1サイズの台紙と模擬紙幣、犯行手口が書かれた詐欺カード、防犯情報が書かれた防犯カードを使う。プレーヤーはそれぞれ1000万円を持ってゲームを始める。
 「詐欺」の升に止まると詐欺カードを1枚引く。カードの記載に従ってサイコロを振り、出た目によっては被害に遭い、手持ち資金が減っていく。「孫(?)から電話」のカードの場合、3か6が出れば「指定された口座に示談金を振り込む マイナス500万円」、ほかの目だと「詐欺を見破る 被害なし」といった具合だ。「防犯」の升に止まると防犯カードが1枚配られ、次回詐欺の升に止まっても被害がない―などの特典がある。ゴールの先着順にボーナスがあり、手持ち資金と合わせて合計金額が多かった人が勝ち。
 細田さんは巡回連絡で電話でお金詐欺への注意を呼び掛けることがあり、巧妙化・多様化する犯行の手口について、分かりやすく伝える方法を考えていた。今春にボードゲームを試作し、署長ら幹部の助言を得て完成した。「ゲームで電話でお金詐欺を疑似体験し、現実で被害に遭わないように知識を身に付けてほしい」と話す。
 塩尻総合文化センターでは参加者が和気あいあいとゲームを楽しみ、詐欺カードに書かれた犯行手口などについて会話が盛り上がった。赤城美知子さん(73)=大門六番町=はプレー中に多くの被害に遭い借金生活になってしまったといい、「こんなにたくさんの手口があるなんて」と驚いていた。県警から信州安全安心サポーターに委嘱されたお笑い芸人・こてつの2人も一緒にプレーして盛り上げた。
 同署と塩尻・朝日防犯協会連合会はボードゲームを五つ制作した。高齢者向け防犯講話の機会に活用するほか、希望があれば貸し出す。問い合わせは同署(電話0263・54・0110)へ。