伝統のお船祭り 24日開幕 安曇野市三郷・熊野神社

安曇野市三郷明盛の熊野神社で24日と25日、例大祭に合わせて市無形民俗文化財「お船祭り」が開催される。県内最大級という全長約13メートル、高さ約8メートルのお船が、中萱地区をえい行する。お船に乗り込んで演奏する「祭り囃子」、平安時代の壇ノ浦の戦いをテーマにしたお船の「飾り物」も見どころだ。
祭りは、地元住民でつくる中萱紫石会が43年間、保存・伝承を担ってきた。今年は7月から週4回、竹笛、太鼓、チャンチャン(鐘)で編成する祭り囃子の練習を重ねてきた。太鼓とチャンチャンは小学生男子6人、笛は大人8人に加え、43年間で初めて中学生女子2人が参加する。ともに三郷中学校3年生の2人は「頑張って、大夫笛が上達した。練習の成果を発揮したい」と声を合わせる。
紫石会の岩井亥佐男会長(77)は「源義経の八艘飛びをテーマにしたお船の飾り物にも注目してほしい」と話す。これまでの飾り物は馬を配置する構成だったが、今回初めて八艘飛びの舟を飾り付ける。会員20人が6月21日から、夜や休日に集まって制作を続けてきた。
24日は宵祭りで、午後6時40分ころから山車の「屋台」を乾原から神社へえい行する。
25日は本祭りで、お船が午後1時10分に乾原を出発し、神社までの約1キロをえい行する。神社境内の神楽殿を3周する「おふりょう」は午後3時20分からで、最大の見せ場となる。午後4時45分からは「投げ餅」を行う。