大桑の殿様ファーム 解散 高齢化で会員減少 担い手募り技術継承へ

大桑村殿の住民有志でつくる農産物生産グループ「殿様ファーム」が、20年余りの活動に区切りをつける。村の特産品開発を目的に、団体名と同名の農園を殿に造りミニトマト「アイコ」のハウス栽培を続けてきたが、近年は高齢化でメンバーが減少していた。農園や長年培ってきた技術は引き継ぎたい考えで、村全域から担い手を募り準備を進めている。
長さ約20のハウス3棟でアイコを栽培・出荷し、収穫体験会などのにぎわいづくりの企画も催してきた。グループ代表の半場洋平さん(87)が「地域に恩返しがしたい」との思いから中心になって立ち上げ、当初は10人以上のメンバーがいた。現在は5人となっている。
メンバーの高齢化が進む中、引き継ぎを視野に解散を決めた。いったんリセットし、新たな体制で殿地区以外の担い手も参加しやすくしたい考えだ。既に関心を持つ村民がおり、解散日とした7日は、半場さんらの指導を受け早速農園の作業に携わる新しい有志の姿があった。
メンバーら周囲の協力で活動を続けてこられ「感謝で涙が出る思い」と半場さんは話す。活動の中で半場さんが考案・実践した手作りまきストーブによるハウス加温方法は、農業の全国誌にも取り上げられた。ノウハウを次代へ伝えることに意欲を見せ「継続が力になる。地域貢献として新しい形で生産を続けていけるようにしたい」と力を込めた。
農園に関する問い合わせは半場さん(電話090・4005・9738)へ。