木曽漆器 振興策を提案 信大生が塩尻で研究成果発表

信州大学(本部・松本市旭3)の学生22人は16日、塩尻市の伝統工芸品・木曽漆器の価値の継承やブランド力の向上について研究した成果を、市役所で市職員らに発表した。漆工町の木曽平沢と宿場町の奈良井で、職人や販売業者、観光客を対象にさまざまな観点で調査した結果を踏まえて、新たな商品や制度、市場を提案した。
漆器を塩尻市民や若い世代に普段使いをしてもらう方法、木曽漆器の規格認証や「漆器ソムリエ」の新設、漆塗りの義肢の製作などを、自信を持って説明した。市職員らは「着眼点が良い」「新しさへの挑戦。目からうろこ」と評価していた。
子供の成長の節目ごとに漆製品を購入してもらう仕組みの案を挙げたグループの石田愛佳さん(19)=人文学部2年=は「市に課題をもらって、調査から発表まで実践的な学びができた」と話していた。
市と信州大学が、市のブランド力を強化させる共同研究の一環で開催した。学生は市内で13日から3泊4日で合宿し、五つのグループごとに現地調査や考察、資料の収集、発表内容をまとめた。