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旧篠ノ井線の思い出写真保管 長畦政二さんが筑北廃線敷の往時伝える

旧国鉄篠ノ井線沿線の写真を今も大事に保管している長畦さん

 旧本城村の伊切(筑北村西条)出身で、松本市城東2で電気店・栄光電機を営む長畦政二さん(81)=安曇野市三郷明盛=が、ふるさとを走った旧国鉄篠ノ井線の沿線から撮影した写真を大事に保管している。現在は廃線となり、筑北村が観光活用を目指して遊歩道整備を進めている廃線敷の区間だ。長畦さんは村の事業が今や無人となった伊切など沿線の山村集落で暮らした記憶の保存にもつながればと期待する。

 長畦さんは昭和40(1965)年ごろ、友人と2人で電気店を始めた。各地の家庭や事業所で家電製品の設置工事や修理に忙しく回る中、実家に立ち寄るたびに伊切集落の様子や国鉄沿線をカメラでスナップ撮影していた。特に西条駅方面から伊切集落へ入る途中の村道は通学路でなじみ深く、線路と近い小仁熊トンネル~第1白坂トンネル区間を撮る機会が多かったという。50年ごろに撮った写真には、当時の特急しなのが橋梁に差し掛かる様子や小仁熊トンネル付近の光景が写る。
 長畦さんは、新聞で村の旧篠ノ井線廃線敷整備を知り、自身のアルバムに写真があるのを思い出したという。村から要望があれば当時の写真提供に協力したい考えだ。長畦さんは「子供の頃から長年見てきた線路。廃線となり『どうにかならないか』と心配していただけに整備はうれしい。多くの人に廃線敷を楽しんでほしい」と願っている。