松本で小学生が戦時中の苦難学ぶ教室 大島正人さん体験談語る

小学生らが戦時中の体験を聞く教室「戦時中の思い出~小学校・中学校・師範学校時代を振り返る~」が10日、松本市鎌田2の市文書館で開かれた。高学年の小学生と保護者3組などの20人が、元小学校長・大島正人さん(96)=松本市入山辺=の体験談や、大島さんの同級生たちの手記を元にした話に耳を傾けた。
大島さんは、小学生時代に日中戦争が始まり、同じ村に住む出征者を見送ったり、戦死者の遺骨を出迎えたりした体験談を話した。中学生時代の授業の時間割に組み込まれていた軍事教練では、服装の乱れなどを通じて、軍から配属された将校に少しでも態度が悪いと見られると「蹴飛ばされたり、張り倒されたりするのが日常だった」と当時の様子をつぶさに語った。
悲惨で過酷だった戦争時代を語り終えてから、大島さんは「われわれが過ごした時代が再び来ないことが、われわれ(戦争体験者)の共通の願いだ」と訴えた。
体験談を聞いた松本市の本郷小学校6年生の女子児童は「体罰が当たり前だったことが、怖いなあと思った」と感想を話した。
教室は、市文書館と市平和推進課が共催して開いた。文書館は「体験者が高齢となり、少数になっている。話を聞けるのは貴重な機会」と意義を説明した。