『片丘ワイナリー物語』発刊 東京の新居直明さん 醸造所・振興協を取材

企業経営者の物語を伝える事業をしている新居直明さん(62)=東京都=が今月、小冊子『片丘ワイナリー物語』を制作した。新興ワイン産地として存在感を高める塩尻市片丘に興味を持ち、その魅力を伝えようとワイナリー経営者らに取材。電子や紙の書籍で発売した。
冊子は約100ページ。片丘に醸造所があったり、ブドウ栽培をしたりしているワイナリー3社と、片丘ワイン振興協議会の代表に取材。それぞれの人生やワイナリー開設の経緯、思いなどを物語としてまとめた。ネット通販・アマゾンの電子書籍サービス「Kindle」と、紙の書籍を出版できるサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」を通じて発売した。
新居さんは平成23(2011)年~昨年3月にアマゾンジャパンに在籍し、日本版Kindle事業立ち上げの技術責任者を務めた。昨年4月に独立し、個人事業の会社・マイストーリーインカード(東京都)を設立。カードに印刷したQRコードを通じ、経営者の物語を読めるようにするといった事業を手掛けている。
市内事業所の仕事の縁で知り合った人から拠点施設・スナバ(大門八番町)を紹介され、今年2月に入居、自社の信州オフィスを開設した。塩尻について知識を深める中で、ワイン産地としての片丘のことを知った。
市内のワイン文化を紹介する冊子としては、市教育委員会が平成29年に作った「ワイン物語~桔梗ケ原にかけた夢」があるが、「新しいワイナリーの動きも伝えたい」と制作に着手。4~6月で完成させた。
新居さんは「片丘を新たな銘醸地にしようと頑張っている人たちがいることを、地元の人にこそ知ってもらいたい」と話す。25日には市立図書館本館と、ブドウ栽培に取り組む塩尻志学館高校に冊子を寄贈した。
電子書籍は250円、紙の書籍は960円でアマゾンで購入できる。