政治・経済

松本市の新庁舎スリム化 注文続々 市会特別委の協議開始

約3年半ぶりに市庁舎建て替えの議論を再開した新庁舎建設特別委

 松本市の新庁舎建設について、本庁舎の規模をスリム化して現在の東庁舎側だけに建設する案の本格協議が30日、市議会市役所新庁舎建設特別委員会(犬飼信雄委員長)で始まった。前菅谷昭市政で策定された現地改築計画の見直しが6月下旬の議員協議会(全協)で了承されたのを受け、議論の俎上には載せられたが、早速、さまざまな意見や注文が相次いだ。具体像について了承を得るのは一筋縄ではいかなさそうだ。

 同特別委での協議は令和3年2月以来で、昨春の議員改選からは初めてとなる。
 市は、提案している新庁舎の規模や配置、事業費などについて専門業者による技術的な検証を行うほか、公共工事の発注方式を再検討すると説明した。新庁舎に必要な機能や規模などを見極めた上で、庁舎の配置を検討するとした。
 議員からは、島立の県松本合同庁舎から南松本への移転新築を想定する市保健所について「本庁舎と一体的にした方がいい」との意見が複数出たほか、「新たな公共空間としての整備」を想定する本庁舎敷地についても「庁舎の一部を設置することも検討してほしい」との意見が出た。
 本庁舎や、保健所を含めた南松本庁舎の建設スケジュール案についても「見直しの要点にとらわれることなく協議を重ねる、と全協で集約したはずだ。説明が飛躍している」との苦言が出された。
 市は新庁舎の配置や費用、スケジュールなどを含めた建設基本計画を来年6月には固めたい考え。犬飼委員長は取材に「専門的な知見による調査の結果を検討材料にして、慎重審議を重ねていきたい」と話した。