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伝統の麻績和紙再興へ 地域おこし協力隊の木下さん 紙漉き道具や情報提供呼び掛け

麻績村でかつて使われていた紙漉き道具を探す木下さん(聖博物館)

 麻績村の地域おこし協力隊伝統工芸班で手漉き和紙を研究している木下良佑さん(30)が、かつて筑北地域で使われていた紙漉き道具を探している。協力隊最終年の3年目を迎えた木下さんは今後、和紙職人・作家として独立し、「麻績和紙」など筑北地域一帯で作られてきた手漉き和紙を復興したいと考えている。古い道具が民家の土蔵や倉庫に眠っていないか、情報や実物の提供を募っている。 

 「簀桁」や、コウゾの繊維を細かくする「叩き棒」など各工程の道具を探し続けている。木下さんによると、農家の副業だった紙漉きの道具類は、明治~昭和期に大量生産のため、ある程度規格化されたと考えられる。江戸時代の古い道具は、地域独自の規格やルールがあったと想定され「それぞれ研究資料としたい」と語る。
 しかし、木下さんが麻績村や筑北村で調べた限りでは、処分されて見つからなかった。古い土蔵も次第に減る中、捜索範囲を旧善光寺街道にあり縁深い松本市四賀地区などにも広げたいという。木下さんは「麻績で育てた原料(コウゾ)で和紙を作っている。道具もそろえて麻績の歴史文化を復興できれば」と願っている。
 情報提供は麻績村づくり推進課(電話0263・67・3001)へ。