「自宅で料理教室」30年の活動に幕 穂高有明の調理師・内川さよ子さん

安曇野市穂高有明の調理師・内川さよ子さん(75)が自宅で30年にわたり開いてきた料理教室が今月、幕を下ろす。大手企業の保養施設で調理を担ってきた経験を生かし、「今晩のおかず」をテーマに、和気あいあいと続けてきた。生徒たちは一品持ち寄りのお別れ会で、「おいしかった」「楽しかった」と内川さんへ感謝を伝えた。
4日昼、内川さんの自宅には6人の生徒が集まった。持ち寄ったのは鶏の唐揚げ、タマネギのそぼろ煮、キュウリの漬物、黒糖ゼリーなどで、多くは教室で一緒に作った料理だ。内川さんは「簡単、おいしい、ヘルシーがモットーだった」と笑顔で味わい、思い出話に花を咲かせた。
もともとは内川さん自身が生徒として料理講習に参加し、気の合った仲間と始めた一品持ち寄りパーティーが教室へと発展した。6人でスタートし、今では市内のほか松本市、北安曇郡小谷村などからの受講生が3グループ計22人に増えた。各グループが月1回のペースで内川さん宅に集まり、材料費程度の受講料で料理を習った。
内川さんは独学で調理師免許を取得し、平成20(2008)年には、県調理師会料理コンクール「民宿料理」の部で、知事賞を受賞した。県の技能指導員を務めた経験もある。
当初から教室に参加する女性は「おかげさまで随分とレパートリーが増え、わが家の食卓にたくさん上がった」と感慨深げ。習った料理のレシピ集は10冊になった。
「豚肉とハクサイを挟んだ豚菜鍋はおいしかった」「教わった鶏の唐揚げは孫が大好き」。お別れ会は、おいしい料理の思い出が尽きなかった。体力面などから教室を閉めることにした内川さんは「楽しい料理教室だった」と振り返った。別の2グループも月内にお別れ会を開くという。