2024.7.23 みすず野
猫の名前を呼ぼうとして、息子の名前が口に出てしまうことがある。慌てて言い直したつもりが、今度は娘の名前を呼んでいる。いつのころからか、こうした言い間違いをするようになった。何も害がないし、おかしくてただ笑うだけだ。年を重ねるとこんなことも増えてくる◆親や親戚が年を取り、集まる機会があると、娘に妹の名前で話しかけたり、息子を弟の名前で呼んだりしてしまうと屈託なく笑い合っていたのを思い出す。やがてはそれぞれの顔がわからなくなることだってある◆家族や猫ならいいのだが、一国の大統領が他国の国家元首の名前を言い間違えると、騒ぎは大きくなる。昨日未明、ラジオ番組でバイデン米国大統領が大統領選から撤退するというニュースを聴いた。大統領は副大統領の名前も、対立候補の名前で呼んでしまった。これまで81歳という高齢からくるさまざまな問題が指摘され、民主党内からも撤退論が高まっていると伝えられていた◆今の世の中で、社会的な立場に就いている人が、その場所から自ら降りることは、洋の東西を問わず、最も難しいことだろうと推察する。大統領はその選択をされた。