教育・子育て

朝日小唄 児童受け継ぐ 4年生夏祭りで披露へ

地域の人から朝日小唄の踊りを教わる児童たち

 朝日村に伝わる伝統の民謡「朝日小唄」の継承につなげようと、村内の朝日小学校4年生36人が小唄にのせた踊りの練習に取り組み始めた。94年前の昭和5(1930)年に誕生し、かつては祝い事や村民が集う場で盛んに歌い踊られた。現在は8月の村の夏祭り「お夏まつり」で登場し親しまれているが、高齢化で担い手が少なくなっている。児童たちは地元の人から振りを教わり、夏祭りで踊る予定だ。

 26日に村中央公民館で練習を始め、初回は村教育委員会職員が小唄の歴史を紹介した。民謡ブームをきっかけに、古見区の青年たちが自分たちの手で郷土の民謡をつくろうとまとめ、昭和5年春に大古見神社の祭典で小唄と踊りが披露されたという。小唄は地域住民に募ってまとめられ、村の自然や文化、たくましく生きた農村の人々の暮らしぶりが歌われている。
 歴史を学んだ児童たちは、長年小唄に親しむ村内の三村共子さんと中村八重美さんの手ほどきで振りを習った。すぐに振りを覚え、全員で輪になって音源に合わせて踊った。齊藤柚菜さん(9)は「初めてだったけど楽しく踊れた。歴史が深くてすごいと思った」と話し、山田梨紗さん(9)は「振りをしっかり覚えて上手に踊れるようになりたい」と笑顔で取り組んでいた。
 中村さんは「ネットやスマホがない時代、小唄や祭りを一緒に楽しむことで地域の人がつながってきた。村の中から生まれた大事な文化に親しみと誇りを持って」と願っていた。