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生坂の赤地蔵に住民が屋根計画 着物や布の色落ち防止へ

赤地蔵に屋根をかけることを計画している白日常会の住民たち

 生坂村日岐区の白日常会の住民たちが、地元の村指定文化財「赤地蔵」に屋根をかける計画を進めている。地蔵の身を包む赤い着物や布が強い日差しで色落ちしやすく、「お地蔵様も暑そうだ」と日よけや風雨よけの覆いを建てることにした。7月中旬にも村内の大工の手ほどきで取りかかる予定だ。

 赤地蔵は、高さ73センチと55センチの大小2体が並ぶ石像で、背後には村指定保存木の大ケヤキが立つ。戦国時代、生坂谷を支配した日岐氏が戦や洪水、疫病で亡くなった人々を供養するために建立したとされる。雨ごいをはじめ何でも願いをかなえるお地蔵様として親しまれ、願いが成就した人がお礼に、ベンガラで魔よけに赤く塗ったり赤い着物を奉納したりしたという。
 現在も全10世帯の住民が年3回着せ替えているが、近年は特に色落ちが激しいという。平成20(2008)年には強風でケヤキの枝が折れ、周囲の石灯籠が壊れた(21年に補修)。大事なお地蔵様を守るため、村に支援を要望。村の本年度一般会計当初予算に材料費の補助が盛り込まれた。
 白日に住む日岐区長の安坂清人さん(65)は「赤地蔵は地域の大切なシンボルだ。村と協力して大事にしていきたい」と願う。白日常会長の奥野祐二さん(64)も「周辺の景観に調和する立派な屋根をかけたい」と話す。