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ろう者カップルが結婚式へ カードや手話など使い楽しみ方を工夫

憧れの結婚式を実現できる喜びでいっぱいの飯森さん夫婦(前列)とスタッフ

 塩尻市塩尻町在住で、ともにろう者の飯森大貴さん(28)と莉沙さん(27)夫妻は15日、同市広丘吉田のフェリスクレールで結婚式を挙げる。耳が聞こえない出席者も聞こえる出席者も一緒に楽しめるように、ライトを点滅して開始の合図をしたり、スタッフが手話や筆談で対応をしたり工夫を凝らす計画だ。

 飯森さん夫妻は昨年12月に婚姻届を出した。「自分たちのケースが、同じような障害があって結婚を希望するカップルの参考になれば」と願っている。
 夫妻はともに会社員。職場の社員、親族や友人ら出席者46人のうち、約20人がろう学校時代の友人で耳が聞こえないという。式場の見学や式の打ち合わせ時に、スタッフが親身に対応してくれた。「耳の聞こえない私たちのために何が必要かを積極的に聞いて、用意や提案をしてくれたことがうれしかった」と喜び、「心強い」と信頼を寄せる。
 フェリスクレールが、ろう者夫妻の結婚式を請け負うのは初めて。当日は手話通訳者が派遣されるが、進行や料理の配膳を務めるスタッフ20~30人は事前に手話を勉強した。「お済みのお皿をお下げしますか」「コーヒー・紅茶どちらにしますか?」と書いたカードも使って応対する。式の流れや「入場まであと10分」といった情報をスクリーンに文字で表示する。
 担当プランナーで、塩尻市の手話サークルに手話を学んでスタッフに教えることもした成田敦子さんは「今回の例を生かして、ユニバーサルウエディングを充実させていきたい」と話している。