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障害者の自立支援へ経済環境整える 塩尻市内初の就労継続支援A型事業所ドネーション開所

 障害者が雇用契約を結んで働き、最低賃金以上が保障される就労継続支援A型事業所「ドネーション」が、塩尻市大門で開所した。A型事業所は市内初となる。より多くの収入が得られる環境を整えることで、就労、自立を目指す思いが強い利用者に寄り添い、自分らしい生き方を見つける手助けをする。

 JR塩尻駅西口すぐにあるビルの1階フロア(約120平方メートル)を借りた。対象年齢は18歳以上64歳以下。基本実働時間は1日4時間で、企業や農家から発注された仕事をする。施設内作業は加工用ニンニクの皮むきなど、施設外はトウモロコシやブドウ、花苗に関する農作業などがある。5月1日に開所した。
 就労継続支援は障害者総合支援法に基づく福祉サービスで、A型とB型がある。ドネーションの参考賃金は1日4時間・1カ月に22日就労の場合で8万円以上で、利用者は雇用保険、労災保険に加入する。一方、雇用契約による就労が困難な人が対象のB型の場合、最低賃金が適用されない「工賃」が支払われる。同施設によると月1~2万円のケースが多いという。
 北澤充典施設長は就労支援を通し「利用者が地域社会の一員として認められ、自信につながるようサポートしたい」と話す。社会全般で労働力不足が叫ばれていることも踏まえ、「障害者の力、就労意欲の高さを地域企業、地域社会にアピールしたい」とする。
 相談支援事業を手掛ける一般社団法人・県障がい者支援センター(茅野市)が運営母体となる。利用者、仕事を依頼する企業ともに募集している。問い合わせはドネーション(電話0263・88・3229)へ。