兵庫県小野市の短歌フォーラムで2席 塩尻市職員・茅野勇史さん

塩尻市職員の茅野勇史さん(44)=安曇野市明科光=が詠んだ短歌が、兵庫県小野市が開く第35回短歌フォーラムの一般の部で2席(次点)に入賞した。塩尻の短歌フォーラム実行委員会事務局を担当したのを機に作り始めて6年。日常の体験や疑問を書き留めて歌にしており、「いい経験ができうれしい。若い人にも楽しんでほしい」と語る。
入賞作品は「古本に挟まれていたメモ書きに『三時に迎え』行けただろうか」。ミステリー小説が好きな茅野さんは、古書店で気になった文庫本を購入して読む。ページの間から出てくることがある、しおり代わりのレシートやメモの1枚が想像を膨らませ、昨年末に投稿した。
選者の歌人・小島ゆかりさんは「見知らぬ人の人生の断片がドラマを想像させる。未知の人への思いやりがすてき」と評した。
茅野さんは令和4年度までの5年間、塩尻の短歌フォーラム事務局を担った。始めは使命感で取り組んだが楽しくなり、周囲を観察しながら遊び感覚で作歌を続ける。小野市の担当者が来訪したのを機に茅野さんも現地へ赴いて相互交流が始まった。3年度に始めた小野市フォーラムへの投稿の4回目で、上位入賞をつかんだ。
小野市フォーラムの一般の部には1096首が寄せられ、選考は作者を伏せて行われた。2席に決まった際「もしかして塩尻の茅野さんですか」と小野市の担当者から電話が来た。選者も驚いたという。今月8日に小野市での表彰式に出席し、入賞者らと交流した。
短歌愛好者には20、30代の若手もいるが、インターネットのSNS(交流サイト)が主な活動の場となっているようだ。短歌文化の継承も踏まえ、茅野さんは「大会に参加し、短歌を通じていろんな年代の人と交流する経験をしたら楽しいと思う」と語る。
「第38回全国短歌フォーラムin塩尻」の投稿締め切りは14日。