政治・経済

麻績城山を桜の名所に 登山口付近で構想

5月に村職員らで植えた桜の苗木

 麻績村が、善光寺街道・麻績宿にほど近い麻績城山を新たな桜の名所にできないか模索している。宿場から北へ入った谷あいにある登山口付近は、23年前に桜の名所になることを願って住民らが桜の苗木を植えた民有地がある。村は所有者らと連携し、再び麻績城山に桜を植える機運を高められたらと期待を寄せている。

 村が、城山の麓や登山道沿いに土地を持つ聖高原管理センター社長の宮下喜光さん(79)と連携。許可を得て5月8日に同民有地に松本地域森林林業振興会(松本市島立)の苗木配布事業で得た桜の苗木約40本を植えた。塚原勝幸村長はじめ村職員で植樹作業をした。
 一帯は平成13(2001)年に「麻績インターチェンジ(IC)から見える桜の名所を」との宮下さんの呼び掛けで、当時の住民や小学生と一緒に桜を植えた元放牧地という。現在は桜の林へと成長し、春には麻績ICからも花々の一部が見える。当時は住民らの協力もあり手入れができたが、シカ食害の拡大や高齢化で継続が難しく、現在は宮下さんが地道な手入れや植樹を続けている。
 宮下さんは「『麻績城山をきれいにしたい』との地主たちの思いは今も一緒だと思う。整備には全面的に協力したい」と話す。
 村は今後も、配布や寄贈で得た桜の苗木を中心に、可能な範囲で植樹・間伐に取り組む方針を立てる。塚原村長は「麻績城山は麻績の歴史文化を物語る村の象徴だ。『麻績ICから見える桜の名所』から『訪ねてみたい城山』へと育てていければ」と話している。