2024.6.20 みすず野
コンビニの弁当は、中身にご飯がたっぷり詰まっているという1点で選ぶ。中身の半分以上をおかずが占めている商品は選択外。おかずを二口、三口食べているうちに、ご飯がなくなってしまうからだ◆中国文学者でエッセイストだった高島俊男さんは、18歳で一人暮らしを始めてから四十数年「おかずとはごはんをすすめるためのもの」だった。この間に「日本人の生活意識には甚大な変化があったらしいが、わたしは人に接せず世間に出ず昔通りにすごしてきたから、昭和二十年代以前の観念、および淳風美俗をそのままに存している。生きた化石である」と(『ほめそやしたりクサしたり』大和書房)◆おかずとはご飯を進めるためのものであり「わあ、これが一きれあったらメシが三杯食えるぞ」というのが理想とか。「ぜいたくはサムライの子の最も恥とするところである」そうだ◆塩ザケが好きで、焼いたものをスーパーで買い、両側に塩をかけて冷蔵庫に入れ、焼き直して食べる。体に悪い、長生きできないと皆に言われるが「六十をすぎてまだ生きている」と書いた。一切れで3日おいしいという塩ザケを食べて、84歳まで生きた。