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山菜ずらり販売最盛期 今年は「量が少なめ」の声多く

生産者が直接持ち込む山菜がずらりと並ぶ販売コーナー(アルプス市場)

 松本地方の農産物直売所で、山菜の販売がピークを迎えている。売り場にさまざまな山菜がずらりと並び、多くの客が春の味覚を買い求めている。

 松本市寿白瀬渕の生産者直売所・アルプス市場では8日、店内の山菜コーナーにタラの芽やコシアブラ、コゴミ、ワラビ、フキノトウなどが続々と入荷した。生産者の蓑谷昌子さん(71)は「タラの芽の一番芽は今だと標高1000メートル以上の場所でないと採れない」と話し、野草のアカザの若葉も持ち込んで、「おひたしにしてかつお節をかけ、しょうゆをたらすといくらでもご飯が食べられる」と勧めていた。
 店頭ではたくさんの花の苗も販売されてにぎわい、犬飼浩一社長は「母の日用の花も豊富に取りそろえているので、買いに来て」と話していた。
 塩尻市広丘郷原のJA松本ハイランド新鮮市場ききょうでは、コシアブラやギョウジャニンニク、ワラビなどが入荷している。タラの芽や畑で育てるワラビは霜に遭って入荷は少ないという。
 安曇野市堀金烏川の旬の味ほりがね物産センターでは、コゴミやタラの芽はすでに終わり、フキが入荷していて、これから山ブキが出てくる。筑北村坂井の直売所まんだらの庄は入荷の山場を過ぎ、今後は山ブキやハチクが控えている。
 今年は4月中旬から下旬にかけて6日間も夏日があり、この時期に山菜が一気に成長したとみられる。一方で27日と30日には明け方に冷え込み、標高の高い所では霜の影響もあり、「入荷が早かったけれど、量が少なく、終わりが早い」という声が多く聞かれる。