地域の話題

子馬は「春走」 児童が命名 開田小通う木曽馬が出産

「春走」と名前を呼びながら子馬と触れ合う児童

 木曽町の開田小学校の全校児童40人は16日、同校に2年生として"登校"する木曽馬・杏菜(雌、7歳)が今春出産した雄の子馬の命名式を行い、「春走」と名付けた。5年生10人は、昨年度の総合的な学習の時間に手作りした木製の水入れと餌入れも出産祝いとしてプレゼントした。

 児童有志が「子馬ちゃん命名委員会」をつくって全校に2回アンケートを行い、五つの候補から一つに絞った。「春走」の名付け親となった6年生児童は「春生まれで、外で走って元気にすくすく育ってほしい」との思いを込めたといい、「みんなで名前を呼んだ時に顔を向けてくれたのがうれしかった。気に入ってくれるといいな」と話していた。
 2頭の飼い主で、同校近くに住む獣医師・伊藤忍さん(63)は代表児童から受け取った命名書を春走に見せながら「いい名前。ありがとうございます」と感謝した。
 出産祝いで贈った餌入れは幅1.1メートル、高さ40センチ、奥行き75センチで、水入れは幅65センチ、高さ40センチ、奥行き45センチ。伊藤さんに聞き取りをしながら、地域住民の力も借りて杏菜が好む大きさで作った。同日、同校敷地内にある馬道に設置し、その出入り口に「あんなちゃんからのおねがい」「馬にのれるよ」などと知らせるお手製の看板も取り付けた。
 親子が仲むつまじく餌入れを使う様子を見守った5年生児童は「とにかくうれしい。一生使ってほしい」と願っていた。