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なじみの保健師 安心生む 松本市が本年度から全地区に配置

顔なじみの母親に相談を受ける翠川さん(右)

 松本市が本年度に本格スタートさせた地区担当保健師事業が好評だ。35地区に1人ずついる保健師が地区にいる時間が増えたことで各地域づくりセンター職員との連携が密になり、住民との距離が縮まった。「継続してみてもらえる安心感がある」との声が住民から寄せられている。

 事業は令和3年度に庄内、芳川、四賀、島内をモデル地区としてスタートし、順次地区を増やして本年度から全地区に広がった。以前は保健師の拠点は四つの市保健センターだったが、担当地区に出勤する日を増やし、地域づくりセンターにデスクも設置。腰を落ち着けて地域と向き合える体制を整えた。
 昨年度に事業が始まった岡田地区の担当保健師・翠川瑛子さん(30)は週2日ほど地区メインで活動し、育児相談や健康相談に応じている。月1回の育児相談に必ず訪れるという吉田有紀さん(34)は、長男・灯里ちゃん(1)が生後1カ月の時から相談しており「以前の子供の状態も分かってくれているので安心」と信頼を寄せる。長男・大翔ちゃん(1)と訪れている丸山千晶さん(37)も「スムーズに相談できる」と喜ぶ。
 翠川さんは「成長を共有できることがやりがい」とし「地域づくりセンター職員との会話が増え、センターにいない間の住民の状態も把握しやすくなった」と手応えを語る。
 岡田地区地域づくりセンターの山岸清治センター長は「電話よりも顔を見て話した方が連携しやすい。公民館事業の幅も広がった」と歓迎している。
 35地区の中には、スペースが足りず保健師のデスクがない地区もある。市健康づくり課は「保健師がきめ細かい活用ができるよう、今後も工夫しながら進めていきたい」と話している。

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