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御嶽山・王滝頂上の避難施設 看板を大澤逸山さんが揮毫

揮毫した大澤さん(左)から看板を受け取る越原村長

 王滝村が御嶽山の王滝頂上(2936メートル)に新設した避難施設に今季、案内看板が掲げられる。越原道廣村長が10年近く付き合いのある書家・大澤逸山さん(65)=松本市岡田松岡=に依頼して「王滝頂上避難施設」と揮毫してもらった木製看板だ。これまで施設に案内表示はなかったが、看板によって登山者に分かりやすくなり、いざという時により役立ちそうだ。

 看板は、地元産のヒノキ材を加工した一枚板(縦35センチ、横1・8メートル)で、縁起を担いで節が八つあるものを選んだ。大澤さんは木材用の濃い墨を使い、末広がりで吉祥の意がある隷書体で書き上げ、「利用した登山者が安全に下山できるよう願いを込めた」と話す。
 噴火に備えた避難施設は令和4年に運用が始まった。木目を基調とした木造一部2階建てで、普段は登山者の休憩や悪天候時の避難に使われている。
 17日、越原村長が松本市内を訪れ、大澤さんから揮毫された看板を受け取った。越原村長は、平成26(2014)年に発生した御嶽山噴火災害から10年を迎えることに触れながら「素晴らしいの一言。登山者の安全を願う思いも通じてありがたい」と喜んだ。
 王滝頂上と、木曽町側の山頂・剣ケ峰に続く尾根筋「八丁ダルミ」への立ち入り規制緩和は7月10日の予定。看板は防水加工を施した後にヘリコプターで王滝頂上に揚げ、施設の正面ドアの上部に掲げられる。