政治・経済

塩尻の広丘東通線吉田工区 沿線の建部社の桜老木伐採 工事本格化で

本年度に工事着手する広丘吉田の広丘東通線。桜の木が伐採された

 塩尻市は本年度、市道(都市計画道路)広丘東通線の吉田工区(広丘吉田)の工事に、本格的に着手する。現在の道路を拡幅する計画で、事業用地にかかる神社・建部社の境内では3月までに、道沿いに立っていた樹齢70年以上とみられる桜の大木18本が伐採され、一帯の風景が一変した。

 桜は宮総代により伐採された。住民からは「この季節に花が見られないのは寂しい」との声も聞こえる半面、吉田地区区長会長の神澤隆夫さん(64)は「防災の観点からも安心安全で住みやすいまちになる」と、道路整備に期待する。
 本格着手する事業区画は「えびの子水苑」交差点北側の市営吉田団地から北に約240メートル。車道を現在の6.5メートルから9メートルほどに広げ、3.5メートルの歩道を両側に設ける。南側から直進すると建部社付近で狭くなり、カーブになる現在の道路形状が解消される。建部社の境内の一部を市が取得し、市教育委員会による埋蔵文化財調査を行う。市都市計画課は「今秋にも工事着手したい」考えだ。
 建部社では宮総代を中心に、令和元年度に老朽化した鳥居を、境内に引っ込める形で移転新築した。区長からの地区要望を受けて4年度に測量や設計を実施した。本年度当初予算に事業費2億3290万円を盛った。
 市が長期的に取り組む広丘東通線の整備は、既存の道路を拡幅し、安全かつ円滑に通行できる道路環境を整える。広丘高出の国道19号「芝茶屋」交差点から東に向かい、広丘吉田の長野道・塩尻北インター北側側道付近までの市街地を南北に結ぶ総延長5310メートルで行う。昭和60(1985)年10月に都市計画決定され、昨年度末までに2770メートル(整備率52.2%)の整備を終えた。整備済み区間は本年度末に、3360メートルに達する見通し。吉田工区の完成は7年度となりそうだ。