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花束作り・販売 新規事業に 塩尻のすみれの丘 農福連携強化

花束の準備をするすみれの丘の利用者と荒﨑さん(右から2人目)

 障害者の就労を支援している塩尻市社会福祉協議会の事業所「すみれの丘」(塩尻市広丘野村)は今春、花束を受注して販売する事業「sumire flower」を始めた。色彩感覚に優れた利用者の強みを生かしながら、作り手も植物に触れる喜びを感じられる取り組みとして企画した。農業分野で就労や生きがいを創出する「農福連携」を進める狙いもある。

 就労継続支援B型事業所として花束を販売するのは全国的にも珍しいという。
 すみれの丘はこんにゃくの製造と販売で知られるが、高齢者と利用者が寄せ植えを楽しむ講座にも取り組んできた。心の癒やされる花をさらに生かそうと花束の販売に着目した。市外の花店で1年間、基礎を学んだ職員・荒﨑有希さん(34)が、利用者に花束作りのポイントを伝えている。
 3月末に退職する市や市社協の職員に手渡す花束を試験的に受け付けたところ、60束を受注できた。今後は卒業や退職、母の日、敬老の日、クリスマスなどの節目やイベント、記念日にプレゼントする花束の予約を募る。希望する人は花束を贈る1週間前にすみれの丘に電話し、贈る相手の性別や年齢、用途を伝える。できた花束はすみれの丘で受け取り、料金を支払う。
 花束以外には、規格外になったり店で売れ残ったりした花「ロスフラワー」の活用を模索している。荒﨑さんは「ドライフラワーにしたり、キャンドルにしたりして生かしたい」と意欲を見せている。
 花束の問い合わせは、すみれの丘(電話0263・87・4012)へ。

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