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松本城の外国人観光客が過去最多 5年度は16万人突破

観光客でにぎわう松本城。外国人観光客を見ない日はない(3日)

 松本市がまとめた松本城の令和5年度の入場者数(有料・無料含む、速報値)によると、外国人観光客が16万1884人で、統計を取り始めた平成21(2009)年度以降で過去最多を記録した。新型コロナウイルス禍前に最も多かった令和元年度と比べても2万7664人(20.6%)増で、インバウンド需要が跳ね上がっている。

 外国人観光客の国籍は、入場の受付で配布するパンフレットの言語で判断している。5年度の外国人観光客のうち、米国やフランスといった欧米系が9万8717人で約6割を占める。コロナ禍前の令和元年度比でアジア系は約1割、欧米系は約3割増加した。
 令和4年10月に新型コロナ感染拡大防止に伴う入国制限が全面撤廃され、5年は12月と2月を除いて1万人を超えるまでに回復している。桜が人気で、4月が最も多いという。
 市はSNS(交流サイト)を通じ、外国人観光客へのPRを積極的に展開する。3年4月には写真投稿サイト・インスタグラムを開設し、昨年4月にはフェイスブックを始めた。英語や中国語のハッシュタグを付けて発信している。松本城管理課の松岡由香課長は「引き続き多くの外国人観光客を呼び込めるよう、SNSを通じた発信に力を入れたい」と話している。
 日本人含む入場者の総数(有料・無料含む)は令和元年度比0.4%増の89万6964人で、コロナ禍前と同水準に戻った。昨年度はNHK大河ドラマ「どうする家康」で初代松本城主・石川数正公が注目され、入場者の回復を後押ししたとみられる。