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工芸作家の絆 「輪島塗」応援 クラフトショップ安曇野 5日から展示販売会

展示販売会の準備をする野中さん

 能登半島地震で被災した石川県輪島市の漆器「輪島塗」を応援しようと、安曇野市穂高の手工芸作家らのアンテナショップ・クラフトショップ安曇野が5日、輪島塗製品の展示販売会を始める。作り手と使い手を結ぶ支援で、輪島市にある木と漆の工房・輪島キリモトが協力する。クラフトショップは「創作活動が軌道に乗る一助になれば」と願う。

 クラフトショップのマネジャーで穂高有明のクラフト作家・野中由紀子さん(67)が企画した。被災地の惨状をテレビで見て何か協力できないか―と思案し、機械が倒れるなど工房の状況が報じられていた輪島キリモトに応援を申し出た。
 展示販売会では、わんや酒器、箸、皿、弁当箱など9種類57点を並べる。杉材のおしぼりトレーやコースターは厚さ4ミリと薄くて軽い。杉材の柔らかい部分が締まって表面に細かい凹凸ができる加工がしてあり、傷が付きにくく、小皿や菓子皿としても幅広く活用できるという。売り切れ次第、終了する。
 輪島キリモト代表の桐本泰一さんは「声を掛けていただいてとても励みになる。取り扱いいただいて大変ありがたい」と厚意に感謝する。地震発生からこの3カ月間、仕事がほぼできない中、工房から道具類を県外の実家に運んで仮設工房を設け、仕事を継続する職人もいるという。
 野中さんは「高額な品物なので勇気がいるが、安曇野にも共感してくれる人がいると信じている。もの作りの同じ仲間として、これからもぜひ頑張ってほしい」と輪島塗関係者にエールを送る。
 開店は午前10時から午後4時まで(水・木曜日は定休)。問い合わせはクラフトショップ(電話0263・88・5563)へ。