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木曽町の義仲館 当面休館 4月から 指定管理者案否決で

4月以降の営業見通しが立っていない義仲館

 木曽町日義とゆかりが深い平安末期の名将・木曽義仲と、義仲を支えた女武者・巴を顕彰する「義仲館」の4月以降の営業見通しが立っていない。施設を所有する町は新年度の指定管理者制度導入を目指して関連議案を町議会3月会議に提出したが、事業計画の精査不足などを理由に否決されたからだ。運営の担い手がいまだに定まらない異例の事態にあって、町は「当面は休館」としている。

 義仲館は令和3年に大幅リニューアルした。運営については、町は当初、以前と同様に指定管理者制度を想定していたものの公募事業者がなく、直営にして運営を一般社団法人・木曽アーツ(木祖村)に委託した。スタッフの体調不良により木曽アーツが昨秋に業務から退き、一般社団法人・おんたき資源再生機構(王滝村)が今年3月末までの契約期間で引き継いだ。
 町によると、事業者主体で包括的に運営でき収益化も図れる指定管理者制度への切り替えが望ましいなどとするおんたき資源再生機構の意見を受けて、町は指定管理者の公募と選定を進めたが、町議会は住民への説明不足なども理由に、再生機構を指定する関連議案を否決した。
 義仲館は義仲の生涯や伝承地をアートなどを通じて紹介している観光施設で、町は現在、一部業務の委託先となる候補事業者と交渉中だ。町日義支所の吉田好則支所長は「春の大型連休(GW)には(再開を)間に合わせたい」と話している。