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生坂の地域おこし協力隊の若者3人 伝統の「灰焼きおやき」継承

平林さん(左)に灰焼きおやきの製法を学ぶ(右から)星さん、杉浦さん、苑生さん

 生坂村地域おこし協力隊の若者3人が今春から、上生坂の村入浴宿泊施設やまなみ荘で、定番メニューだった郷土食「灰焼きおやき」の製造に取り組む。昨秋から地域住民に製法を学んできた3人は、熱い灰の中で蒸し焼きにすることで表皮がカリッと香ばしくなる昔ながらの味を継承しつつ、新メニューの開発にも意欲を見せる。

 3人はいずれも県外出身者で、令和4年春に協力隊員になり昨秋結婚した杉浦陸斗さん(28)、苑生さん(27)夫妻と、陸斗さんの友人で昨春隊員となった星満さん(28)。上生坂の村おやき体験館を拠点に、当面は週数回1日20~30個を目標に作り、4月前半にもやまなみ荘で販売を始める。
 おやき製造を担ってきた前任者が退任したことで、やまなみ荘では昨秋からおやきが提供できない状態が続いていた。3人は村の依頼で、灰焼きおやきを近年まで製造・販売してきた地元有志の「生坂こなもん倶楽部」(旧生坂こなもん工房)の事務局・平林敏生さん(80)=上生坂=に生地の包み方や具材の切り方、焼き方などを教わってきた。平林さんは「生坂ならではの昔懐かしいおやきの味が引き継がれるならうれしい」と話す。
 星さんは「村民に灰焼きおやきへの"誇り"を感じる。他のおやき店と肩を並べるくらい人気のおやきを目指す」と意気込む。杉浦さん夫妻も「村に来て初めて知った味で、難しさもあるが楽しみでもある。継承してより良く発展させたい」と声をそろえた。