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ウクライナ避難民支援3年目 JCFが23日に活動報告会

ウクライナ避難民の支援を語るアルカザイルさん

 松本市の認定NPO法人・日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)が取り組むウクライナ避難民の母子支援は、今月で3年目に入った。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった直後から、一日も早い和平を祈って直接的な生活支援を展開してきたが、戦争は長期化し、支援も終わりが見えない。終戦・停戦後も現地の生活再建には長い年月がかかると予想される中、人道支援の輪の広がりを願って、23日に市内で活動報告会を開く。

 2022年2月に始まった軍事侵攻を受けて、翌3月に避難民の支援を始めた。ウクライナ西部ザカルパッティア州のウジホロドのカトリック教会とつながることができ、日本各地から届く支援金を使って食料や衣服、生活物資の提供を開始。ウクライナと隣国の国境には避難民が殺到し、多くは今日まで女性や子供という。
 支援拠点は同じく避難民が暮らすポーランドのクラクフやブルガリアのバルナにも広がった。昨年11月にはスタッフ3人がクラクフを訪ね、医療支援の模索も念頭に健康相談などを行った。難民登録して公立病院を無料受診するには半年かかるといい、JCFとして初期診療に対応する医療ファンドの設立を検討する。
 支援をウジホロドにつないだ、JCFメンバーでイラク人小児科医のリカァ・アルカザイルさんも祖国を追われた一人。11歳でイラン・イラク戦争を経験し、クリスチャンを理由にテロリストからの迫害を受けた。爆弾の投下や人々の惨殺が身近にあった経験は癒えることがなく、家族や親族とは散り散りに暮らす。「祖国や愛する人たちと離れる苦しみが分かる。残酷な戦時下にいる子供や若者のためにできる援助は何でもしたい」と話している。
 23日は午後2時から、信毎メディアガーデン(中央2)で活動報告する。23、24両日午前10時~午後5時には、ウクライナの子供の絵画展やチャリティー販売もある。

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