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交流喫茶 地域つなぎ25年 安曇野市明科の福祉センター・あいりす 障害ある人も運営に参加

あいりす内にある交流喫茶うさぎと小松さん(右)、丸山さん

 安曇野市明科東川手の市明科総合福祉センターあいりすに福祉施設としては珍しい喫茶コーナーがある。障害がある人の社会的自立を支援するボランティア団体・手おやが運営している「交流喫茶うさぎ」。平成12(2000)年の施設開設から四半世紀にわたって営業しており、地域住民や障害がある人をつなぐ交流の場・憩いの場になっている。

 開店は平日の午前10時~午後1時。曜日ごとに、手おや代表の小松あつ子さん(65)=明科中川手、個人ボランティア、あいりす内の市社会福祉協議会明科支所の職員、地域活動支援センター・明科ふきぼこの家のスタッフと利用者が、店を切り盛りしている。
 小松さんは「いろいろな方に関わっていただいてここまできている」と感謝する。小松さんと「ママ友」の縁で店を20年以上手伝っているという丸山敏美さん(59)=明科七貴=は「仕事ではないので気楽。おしゃべりできるのでストレス解消になる」と語る。
 店には、あいりす内の福祉入浴場や運動教室の利用者、施設利用団体のメンバー、地域の常連客らが訪れている。週1回は利用しているという地元の男性客(79)は「私よりずっと若い人とお話ができる」と、憩いの時間を楽しんでいた。
 ふきぼこの家は知的障害や身体障害、精神障害がある20~70代が生活訓練の場として利用している。客としてうさぎを訪れる機会もあり、商品を注文して代金を支払う楽しさがあるという。主任の木口圭子さんは「うさぎで地域の方とお話させていただくとか、そういうことも楽しみにしている」と語る。
 店名は、使っている食器のほとんどにウサギがデザインされていることが由来。売上金のほぼ全額が、ふきぼこの家に物品として寄付されている。小松さんは「一人でも多くの方に障害がある人のことを理解してもらえたら。この喫茶が末永く継続し、受け継がれていけば」と願う。