連載・特集

2024.3.30 みすず野

 復活祭(イースター)。クリスマスと並ぶキリスト教の重要な祝日の一つだ。春分後、最初の満月のすぐ後の日曜日がこれに当たり盛大に祝う。「春になって自然の草花などがよみがえることを祝うという意味も」(『春夏秋冬を楽しむ くらし歳時記』成美堂出版)ある◆「十字架にかけられたキリストは、3日後、地獄と死の力に打ち勝ち、みずからの力でよみがえった」(『よくわかる俳句歳時記』ナツメ社)とされる。クリスチャンの俳人・中村草田男の作品に「山鳩の二羽の歌垣復活祭」がある。西洋文明の中でハトは再生・復活のイメージを持つ。春景の中で鳴き交わす「山鳩の姿が、ひとしお明るいものと映ったことでしょう」(同)◆「満月のすぐ後の日曜日」というのが、何ともいい。黄金に輝くまん丸の月には独特の魅力があり、神秘的な力を宿す存在としてあがめられることも◆満月関連では過日の弊紙で、麻績村の姨捨山・冠着宮遙拝所から見られる、冠着山から昇る満月を紹介していた。月の位置の関係で、楽しめるのは仲春と晩秋だけという。昔日の人たちも同じ景色に感動していたかと思うとロマンに満ちる。

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