人形作家が制作実演 松本の林人形工房

松本市中央2の人形店・林人形工房で27日、人形作家の制作実演会が始まった。埼玉県に工房を構える江戸木目込人形作家で伝統工芸士の石川潤平さん(72)が、ひな人形の絵付けなどを来店客に披露している。28日まで。
貝殻から作られる顔料の胡粉をにかわで練って人形の肌を塗り、細い筆で顔を描く作業を実演した。目の部分には曲線を50~70回重ねて奥深いまなざしを表現するなど伝統に裏打ちされた技で、窓越しに実演を見つめる通行人の姿もあった。
同店は、石川さんの作品を含め多数のひな人形を取り扱っている。石川さんは「乳児の頃からから亡くなるまでずっと一緒にいられるのが人形。願いをたくさん込められる人形づくりを心がけている」と話した。28日の実演時間は午前10時~午後4時。